Dacron 製人工血管破裂による非吻合部仮性動脈瘤の1手術例 : 本邦報告例を含めて

1998 
人工血管繊維の破綻により術後遠隔期に非吻合部仮性動脈瘤をきたした稀な1例を経験した. 症例は77歳, 男性で, 1982年に右総腸骨動脈の閉塞性動脈硬化症に対して, Cooley double velour knitted Dacron graft を用いた左外腸骨-右大腿動脈間バイパス術を受けた. 11年8か月後に右鼠蹊部に人工血管破裂による仮性動脈瘤を生じたため, 人工血管の部分切除および Hemashield® 人工血管による置換術を行った. 非吻合部仮性動脈瘤の成因としては, 鼠蹊靱帯からの機械的外力による人工血管繊維の劣化が最も考えられた.
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