A CASE OF RECTAL CANCER IN WHICH PREOPERATIVE RADIOCHEMOTHERAPY RESULTED IN COMPLETE DISAPPEARANCE OF THE TUMOR

2004 
症例は58歳,男性で下血にて来院,注腸所見ではRaからRbにapple core signを認め,大腸内視鏡ではRb部に潰瘍性病変を認め,生検にて高分化腺癌が認められた. CTでは腫瘍は,膀胱,仙骨に広範囲に接し,浸潤の可能性が高いと診断した. MRIでは腫瘍は仙骨に広く接し高度の癒着が疑われた.下部直腸癌で仙骨浸潤の可能性もあり, radiochemotherapyを術前に施行した.体外照射2.2Gy×25回,総計55Gy, 5fluorouracil 2000mg, cisplatin 25mg, leucovorin 500mgを上直腸動脈より動注した. radiochemotherapy後のCTで病変の縮小を認め腹会陰式直腸切断術を施行した.摘出標本では直腸Rb部に2型病変を認め,組織所見では腫瘍細胞やリンパ節転移は認められなかった.術後2年6カ月無再発生存中である.多臓器浸潤が疑われ根治度Aが望めない症例には術前radiochemotherapyの施行も考慮すべきである.
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