Experimental study of contraction loss effects of mouth mucosa by ethanol injection
2003
当科の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome: OSAS)外来は,平成13年4月より高周波装置のcoblator systemを導入し,一部の単純性鼾症やOSAS症例に対してday surgeryを行い,一定の臨床効果を得ている.その治療経験から,われわれはさらに高周波と同様に高い組織凝固作用を発揮するエタノールの粘膜収縮減量効果に着目し,一連の動物実験に取り組んできた.本報告はその結果の一部について述べたものである.実験動物にはモルモットを用いた.まず液体注入による呼吸への影響を調べるため,生理食塩水を段階的に100μlから1μlまで口蓋弓粘膜に注入した結果,呼吸困難の原因となるような浮腫を起こさない安全な注入量は10μl以下であることが分かった.それに基づいて,エタノールを50%,70%および100%の各濃度でその1,2,4,8および10μlを口蓋弓粘膜にそれぞれ注入し,局所粘膜の経時的変化を観察した.50%エタノールでは実施したすべての注入量において明らかな粘膜の収縮効果は見られなかった.また,100%エタノールでは1μlまで減量しても,なお組織傷害性が強く局所粘膜の壊死崩壊が際立っていた.一方,1もしくは2μlの70%エタノールの注入では,局所粘膜傷害の形成は軽度に止まり数日以内に完治した上,粘膜組織の適度な収縮も全例に認められ,しかも長期間にわたってこの組織収縮が維持されることが判明した.以上の結果から,適量の使用を前提条件に70%エタノールは有用な粘膜収縮剤として,将来多方面の粘膜疾患の治療に利用できる可能性を秘めているものと考えられる.
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