A case of unilateral cross-bite treated by rapid palatal expansion. Evaluation for acquirement of occlusal stabillty in children by Dental Prescale system.

2000 
咬合誘導処置において, 咬頭嵌合位における咬合の機能的安定性が, いかなる過程を経ながら獲得されていくのか, 臨床症例の1例についてデンタルプレスケールを利用した評価法で分析した.対象は左側臼歯部交叉咬合を有するHellmanの歯年齢IIC期の男児である.治療法として, 上顎に急速拡大装置を適用し, 上顎拡大前から拡大後, 自然的保定までの咬合接触面積, 咬合力, 咬合力重心位置および非対称性指数を評価した.結果は次の通りである.1.咬合接触面積および咬合力について上顎拡大後, 個々の歯では, 左側乳犬歯, 左側第二乳臼歯および両側第一大臼歯の咬合接触面積・咬合力が経時的に増大した.歯列全体では, 上顎拡大後一時的に咬合接触面積・咬合力は減少したが, リンガルアーチ保定になると再び増加した.2.咬合力重心位置について前後的には, 拡大後に前方へ移動したが, リンガルアーチ保定になると後方へ移動した.また, 側方的には, 拡大後に左側へ移動したが, リンガルアーヂ保定になると正中方向へ移動し始めた.3.非対称性指数についてリンガルアーチ保定2か月後で, 最も小さい値になった.リンガルアーチ保定が長くなるにつれて, 値は増加した.しかしながら, 自然的保定になると値は減少し始めた.この症例を通して, 不正咬合における被蓋改善後に形態的には比較的安定した咬合状態を獲得していても, 咬合力分布の左右および前後のバランスは不安定であることがわかった.そして, 機能的な咬合の安定は自然的保定中に徐々に獲得されていくものと思われた.
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