A CASE OF PRIMARY SMALL BOWEL VOLVULUS IN AN ADULT

2004 
症例は32歳,男性.突然嘔吐を伴う上腹部激痛が出現し当院救急外来受診.上腹部が軽度膨満し,圧痛著明,筋性防御を認めた.腹部X線検査で鏡面像を認め,腹部CT検査で上腸間膜動脈周囲を小腸が渦巻き状に巻き込む腫瘤像(Whirl sign)が認められた.絞扼性イレウスと診断し,発症4時間半後に緊急手術を施行した.小腸は腸間膜根部で時計回りに360°捻転しており,ほぼ全域にわたって赤褐色にうっ血していたが,壊死には陥っておらず,捻転解除のみで手術を終了した.術後2カ月で癒着性イレウスを生じ, 10日間の保存的治療を要した.本症例は癒着や異常索状物,腸回転異常などに起因せず,原発性小腸軸捻転症と診断した.本邦では成人の原発性小腸軸捻転症は稀であり,本症例を含めて46例が報告されている.診断には腹部CT検査が有用と思われる.
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