1-(m-chlorophenyl)-3-N,N-dimethylcarbamoyl-5-methoxypyrazole〔PZ-177〕の抗浮腫作用
1975
鎮痛抗炎症作用に関するpyrazole誘導体のscreeningからPZ-177が選出されたので,この新規化合物について抗浄腫作用を検討した.PZ-177はcarrageenin,dextranによって惹起されたラット足浮腫を用量依存性に著明に抑制した.egg albumin,serotonin,formalinおよびbradykininなどによる足浮腫に対しても軽度から中等度の有意な抑制作用を示し,抗ラット・ウサギ血清によるラット皮膚浮腫に対しても明らかな抑制作用を呈した.従ってPZ-177は起炎物質の種類を問わず普遍的な抗浮腫作用を示し,mepirizoleと同等かわずかに強い浮腫抑制作用を有することが認められた.他方PZ-177はmorphineとの併用においてmorphineの抗浮腫作用をごくわずか増強したにすぎず,また副腎摘出動物ではその抗浮腫作用は明らかに減弱した.なお脊髄切断動物ではごくわずかの効果減弱を示したにすぎなかった.これらの成績からPZ-177の抗浮腫作用は直接的抗浮腫作用のほかに,副腎を介する間接的効果が考xられ,また実験レベルではわずかではあったが中枢抑制作用による影響があるかもしれない.
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