Eight cases of porphyria cutanea tarda.

1986 
8例のporphyria cutanea tardaを報告した。患者は41才より72才で全例男子であつた。全例アルコール大量摂取歴を有していたが, 家族内に同症をみなかつた。患者は長崎県内在住6例, 福岡県1例, 佐賀県1例で, 長崎県内では, 長崎市1例, 佐世保市1例, 東彼杵郡2例, 北松浦郡2例であつた。皮膚所見では全例に露出部色素沈着が認められ, その他小瘢痕, 小水疱, 糜爛形成などが認められたが, 急性光線過敏状態は2例に認められるのみであつた。8例ともに皮膚症状は軽度であつた。尿中ポルフィリン体はuroporphyrin(以下UPと略記), coproporphyrin(以下CPと略記)ともに著増を示し, 8例中7例はUP優勢, 1例はCP, UP同程度の排泄像を示していた。糞便中ポルフィリン体は6例測定したが, 6例すべてCP優位の排泄像を示し, CP/protoporphyrin(PP)比は正常に比べ逆転していた。検査所見では軽度の肝機能異常が8例中7例に認められたが, GOT, GPTの軽度上昇が主であつた。5例に肝生検をおこなつたが, いずれも慢性肝炎の状態で, 4例に鉄顆粒の沈着を認めた。血清鉄は8例中4例が200μg/dl以上の上昇を, 4例に不飽和鉄結合能の低下を示していた。免疫グロブリンでは, 血清IgG値が3例に2,000mg/dl以上の上昇をみた。以上のことより8例はいずれも皮疹, 検査所見ともに軽度の変化を示しており, 軽症と思われた。尿中ポルフィリン体排泄量と皮疹の状態の間にとくに相関を認めず, 仕事などの違いによる日光曝露の差による影響が示唆された。
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