遺族の声を臨床に生かす~J-HOPE 研究(多施設遺族調査)からの学び~【2】:療養場所の意思決定

2013 
【付帯1】 わが国では,緩和ケア病棟(以下,PCU)への入院を決める際,同時に積極的治療の中断についての意思決定を行うことになります.そのため,患者と家族は,強い心理的負担を感じることになります.医療者は,患者や家族に対して,PCU に関する適切な情報を提供する必要がありますが,どのような情報提供を行っていけばよいのでしょうか.PCU で患者を看取った遺族を対象としたJ-HOPE 研究の結果をもとに,PCU への入院を検討する家族への望ましい情報提供について検討していきます.  【付帯3】 終末期がん患者(以下,患者)と家族は,患者の病状が悪化する中で,最期を過ごす場所の意思決定が迫られることになります.緩和ケア病棟(以下,PCU)への入院は,治癒を諦め,死を意識することになるため,その意思決定に際して患者と家族は強い苦痛を抱くことになります.しかし,そのような苦痛を伴う意思決定を行った遺族の後悔については知られていません.J-HOPE 研究の一環では,PCU で患者を看取った遺族のPCU への入院の意志決定の後悔を明らかにしました.その結果から,PCU への入院の意志決定に携わる家族への支援について検討していきたいと思います.  【付帯14】 終末期を迎えたがん患者とその家族の多くは,在宅療養を選択する際に,その意思決定までに多かれ少なかれ在宅療養への不安や悩みを抱えています.患者が「自宅で過ごしたい」と思っている場合や家族が「不安は大きいけれど,できれば本人の自宅で過ごしたい思いを叶えてあげたい」と思っている場合に,看護師はどのようなかかわりで在宅療養への意思決定を支援していくことができるのでしょうか. J-HOPE 研究の一環で,在宅ホスピスのケアを受け自宅で看取った遺族を対象に,在宅療養の意思決定についての調査を行いました.その結果をもとに,看護師が患者・家族への在宅療養の意思決定を援助する際にどのようにかかわることが必要となるかを検討します.
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