He-Neレーザー照射によるStreptococcus mutans PS 14株に対する殺菌メカニズム

1993 
本研究では, Strep tococcus mutans (S.mutons) に対するHe-Neレーザー照射による殺菌メカニズムについて検討し, 殺菌効果が発現される諸条件について検索した。クリスタルバイオレット (CV) を添加したBrain Heart Infusion (BHI) 寒天培地に, S. mtansの新鮮培養液を混釈したsoftagarを重層し, 嫌気条件下でレーザー照射を行った。またCVを添加した菌液に, 同様にレーザー照射を行い, S. mutans培養細胞の生存率に対する影響も併せて検討した。この結果, 嫌気条件下では全く殺菌効果は認められず, 殺菌効果の発現には酸素の存在が不可欠の条件であることが判明した。さらに, CV存在下のレーザー照射により照射時間に依存するS. mutans細胞の生存率の低下が認められたが, この生存率の低下はsuperoxide dismutaseおよびcatalaseの添加によって明らかに抑制された。したがって, 好気下でのCVのphotodynamic actionによって生成されるsuperoxide anion, およびH2O2等の殺菌物質によってS. mutansに対する殺菌効果が発現するものと結論された。
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