Special Articles on Global and Regional Environment and Chemistry. pH and Its Frequency Distribution Patterns of Acid Precipitation in Japan.

1991 
日本全国で統一的な手法によって行われた酸性雨調査としては初めてのものである,1984年4月から1988年3月に全国29地点において実施された環境庁第1次酸性雨対策調査で得られた降水のpH値について,その空間分布を調べた。各地点のpHの年平均値は4.4~5.5の範囲に,また,4年ないし2年の調査期間全体の平均値は4.6~5.2の範囲にあり,相対的にみると,西日本で低く,北海道・東北地方で高かった。pHの頻度分布は,最頻階級が4.5~4。9の標準的な一山型,それより低い一山型,それより高い一山型,二山型の4タイプに分類でき,二山型の分布を示す地点は道路または都市粉じんの影響を受けていると考えられた。pH頻度分布の夏期と冬期における季節差を見ると,西日本と日本海側では冬期に低く,東日本では夏期に低かった。これらのことから,日本の降水を概括的に見た場合,西日本と日本海側では冬期に北西季節風によってもたらされる,酸性の汚染物質の影響を,東北日本では冬期に粉じんなど塩基性の汚染物質の影響をそれぞれ受けていることが示唆された。
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