末梢性肺動脈高度狭窄を有する純型肺動脈閉鎖,大動脈弁狭窄症に対して術中肺動脈ステント留置術,fenestrated Fontan手術を行った1例
2006
症例は12歳,女児.純型肺動脈閉鎖症と診断され,2歳時に大動脈弁狭窄(弁性)に対してバルーン拡大術,5歳時に両方向性Glenn手術と大動脈弁形成術を行ったが,7歳時の心臓カテーテル検査の結果,当時のFontan手術適応外と判断された.その後,チアノーゼの悪化と運動耐容能の低下を認め,治療方針を再検討し,まず,体肺側副血行に対してコイル栓塞術を行い,ひきつづき根治手術を行った.可能なかぎり低侵襲で行うため,末梢性肺動脈狭窄に対して術中ステント留置を併用し,人工血管を用いた心外導管による心拍動下fenestrated Fontan手術を行った.術後経過は良好で,運動耐容能も飛躍的に改善した.Fontanの手術成績は安定し,その適応は拡大しつつあるが,依然Fontanに到達せず,適応外とされる症例が少なからず存在する.今回,末梢性肺動脈狭窄を有し,PA index 89mm2/m2のハイリスク症例に対し,いくつかの工夫により根治術に到達することができたので報告する.
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