A case of canine ureteral ectopia with hydronephrosis, severe ureterectasia and ureterocele.

1989 
水腎症, 巨大尿管および尿管嚢腫を併発した異所性尿管の犬に手術を行い, その後良好な経過をとった1症例について報告した。患犬は1歳の体重19kg, 雌のシベリアンスキー種で, 長期間, いつも陰部の周辺をぬらしており, 最近悪臭がひどいとのことで来院した。抗生物質による治療で悪臭は消失したが, 尿でぬれる状態には変化がなかった。尿検査では, E.coliが検出され, かなり重度の尿路感染が疑われた。静脈性尿路造影で左側は巨大尿管と水腎症, 右側は巨大尿管を併発した左右の異所性尿管と診断し, 手術を行った。拡張した左右の尿管は膀胱三角に連絡していたが, その部分では開口せず, 膀胱内に風船状に突出 (尿管嚢腫) していた。嚢腫部分を切開すると尿管はそのまま尿道壁の問を尾側へと伸びていた。左側の腎臓は水腎症を起こしていたため拡大した尿管とともに摘出した。膀胱から尾側へ伸びている尿管は閉鎖し, 右の尿管の切開部は尿管と膀胱の粘膜を単純結節縫合した。右の尿管から膀胱内へ尿が流れ出るのを確認して, あとは型のごとく手術を終了した。術後3ヵ月間はわずかな尿の失禁が続いた。また9ヵ月後に再びE.coliが検出されたが, クロラムフェニコールの投与を続けたところ, その後の経過は良好で1.5年を経過した現在, とくに問題は見られていない。
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