A Case of Primary Squamous Cell Carcinoma of the Ileum.

1993 
小腸原発と考えられる扁平上皮癌の1例を経験したので報告する.患者は76歳の男性で, 主訴は腹部膨満と下腹部痛であり, 腹部単純X線写真により腸閉塞と診断し入院した.保存的治療で閉塞症状は改善したが, 小腸造影検査で回腸に壁不整をともなう狭窄を認め, 手術を施行した.開腹時, 回腸に腫瘍を認め, 右半結腸切除術を行った.病変は限局潰瘍型の大腸癌に類似しており, 病理組織標本では分化型扁平上皮癌で, 腺癌成分は認められなかった.腸切除から1年1か月後に左上腕に腫瘤が出現し, 生検で扁平上皮癌と診断された.その後化学療法を行い.一時的に頸部と左上腕の転移巣の縮少を認めたが, 腸切除から2年4か月後に死亡した.文献の検索をした限りでは, 回腸を原発とし, 重複腸管や炎症性腸炎などの基礎疾患がない扁平上皮癌の報告は1例のみであった.本症例は経過中, 他に原発と思われる病変が認められず, 原発性小腸扁平上皮癌と考えられた.
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