TWO CASES OF ISCHEMIC ENTERITIS OPERATED ON IN AN ACUTE PHASE

2001 
日常診療において腸閉塞に遭遇することは多い.その原因として稀ではあるが虚血性小腸炎がある.今回,急性期虚血性小腸炎の2手術例を経験したので本邦報告48手術例とともに報告する.症例1・2ともに高齢男性.症例1は諸検査にて絞扼性イレウスを否定できず緊急手術を行い,症例2は前医からの経過で全身状態悪化傾向にあり緊急手術を行った. 2症例ともに遠位回腸に虚血所見を認め切除を行った.虚血性小腸炎は腹痛・消化管出血にて発症し,腸閉塞を呈す.その後一時的な改善を認めるものの,慢性経過にて狭窄にいたり,腸閉塞の再発となる.急性期においては,特徴的所見に乏しく診断に苦慮するが,虚血性小腸炎の特徴をふまえ,CT画像にてその診断に結びつけることも不可能ではない.絞扼が否定できない場合や全身状態に悪影響を及ぼしている場合は緊急手術が必要となるが,急性期保存的加療後,次の腸閉塞発症前に腹腔鏡下・腹腔鏡補助下の腸切除術を行うことが理想かと思われる.
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