Press Through Package誤飲によりS状結腸腸穿孔をおこした直腸癌の1例

2008 
症例は89歳女性.腹痛を主訴に前医を受診し,大腸腸閉塞と診断され入院した.注腸造影および下部消化管内視鏡検査で大腸癌と診断されたが,その後,腹部膨満が増強したため当院に紹介入院となった.入院時腹部単純レントゲン写真で,大量のfree airを認め,大腸癌による穿孔性汎発性腹膜炎の診断にて同日緊急手術を行った.術中所見では多量の便汁様腹水と直腸に全周性の直腸癌を認めた.その口側に穿孔部があり,同部付近にPress Through Package(以下,PTP)未開封の薬剤が認められた.洗浄ドレナージ,ハルトマン手術を行った.PTPによる穿孔は高齢者に認められるが,ほとんどの症例は上部消化管であり下部消化管,さらには癌に関連した大腸の穿孔はきわめてまれである.高齢者においては,服薬数が多くなる傾向もあり,服薬指導を充分に行い,包装の形態も工夫が必要と考えられた.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    5
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []