Functional and morphological study of the peritoneal membrane in CAPD patients.

1990 
腹膜硬化症の1例を含むCAPD 6例について, 腹膜の機能および形態変化を検討した.症例1はCAPD導入時より, 十分な除水を行うために高張液を使用していた. 除水量の減少が徐々に進行し, 4年7か月でCAPD継続困難と判断され, カテーテルを抜去した. カテーテル抜去時の腹膜生検にて, 腹膜の著明な肥厚とともに血管内膜の肥厚と内腔の狭小化を認めたことより腹膜硬化症と考えた.除水能の対照的な2例について2.5%透析液2lを使用し, 腹膜機能の検討を行った. 透析液・血漿浸透圧比の時間的推移の検討では, 除水能良好例 (症例2) は浸透圧比の低下を認めず, 除水量は経過とともに順調に増加したのに対し, 除水能不良例 (症例3) では浸透圧比の低下が急速に進行し, 2時間目以後は除水量増加がほとんど認められなかった. 尿素窒素とクレアチニンの透析液/血漿比の時間的推移は両例に差を認めなかった.CAPD剖検例 (症例4-6) について腹膜の病理組織学的変化を検討した. いずれもCAPD導入後1年未満のものであったが, すでに腹膜の肥厚をきたしていた. なかでも2か月間の短期CAPDにて除水能, 溶質除去能ともに良好であった症例において, すでに腹膜の軽度肥厚が認められたことは注目すべきことと思われた.
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