慢性肝障害に対するN-〔N-(4-carboxyphenyl)glycyl〕aminoacetonitrileの効果
1975
慢性CCl4肝障害ratの回復期におけるN-(N-p-carboxyphenylglycyl) aminoacetonitrile(p-CAAN)の効果をいろいろの代謝面から検討し,興味ある成績を得た.1. lathyrogenic action:肝collagenの減少を促進すると共に尿中OH-prolineを増加させた.2. Triglycerideの肝内生成及び肝から血中への移行が抑制された.3. Phospholipidの肝から血中への移行が促進された.4. Pyridine nucleotide (PN)の酸化還元平衡の異常(還元型PNの優勢化)が是正されると推測される.5. 尿中α-KG,アミノ-Nの変動は体内OH-proline含有peptide poolの増大から予測される結果と一致する.p-CAANははじめlathyrogenとしての作用が注目され,実験的にも以上の成績に見られるようにlathyrogenic actionが明らかであるが,最近,臨床的にはむしろ慢性肝疾患の活動性を抑えるステロイド様作用の方が重視されるようになった.今後,新らしい臨床応用も期待される.
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