A CASE OF ILEAL PERFORATION DUE TO WIRE CORD TRACTION

2007 
症例は81歳, 女性. 平成18年1月31日突然の腹痛が出現し, 同2月2日になっても腹痛が持続したため当院へ救急搬送された. 腹部単純X線撮影ではfree airを認め, 腹部CTでは上行結腸が拡張し結腸周囲にfluid collectionが認められた. まずは上行結腸の穿孔が疑われた. 同日緊急手術を施行した. 穿孔部は回腸末端より50cmの回腸であった. 穿孔部漿膜に連続して25cmの索状物が存在した. 索状物のもう一端は, 穿孔部より150cm口側の小腸間膜に付着していた. 回腸部分切除術を施行した. 穿孔部径は2mmで粘膜面は肉眼的に正常であった. 術後経過良好にて同2月14日に退院した. 索状物の付着部である小腸が穿孔し, 且つ索状物が小腸間膜をまたぐ形で存在した, 非常に興味深い症例であった. われわれが検索しえた範囲では同様の症例は報告されていない. 若干の文献的考察を加えて報告する.
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