血液透析における血液凝固時間測定法 (WBAPTT) の検討

1985 
抗凝固剤は透析療法に欠く事のてきないものてあるが, その投与量決定は個々の循環血液量, 代謝速度の違いにより画一的に決定する事は難しい. その指標として従来用いられてきたL-W法 (Lee White coagulation time) には種々の問題があり理想的な検査法とは言えない. そこてL-W法に代わる検査法としてWBAPTT (whole blood activated partial thromboplastin time) について検討し臨床的応用を試みた.WBAPTTは安定した試薬が市販され検体量が0.2mlと微量てあり検査に要する時間も短い. L-W法との間には良い相関が認められ (y=0.104x-0.89, r=0.96), 血中ヘパリン濃度との間にも直線性が認められた (y=296.4x+82.5). またin vitroにおけるWBAPTTによるヘパリン感受性試験を実施しその結果より求めた理論値とin vivoにおけるWBAPTT実測値に相関が認められた事により (y=0.95x+20.7, r=0.88), ヘパリン初回投与量決定にはin vitroにおけるヘパリン感受性試験の実施が有用てあると思われた.最近出血傾向を持つ患者に対しGM (gabexate mesilate) が使用されている. GMは半減期が短く, 透析性も良く厳密な局所抗凝固剤として用いられている. GM透析において, L-W法とWBAPTTを測定すると, L-W法はGMの抗凝固性を反映てきず, 一方WBAPTTはその特徴を良く反映した. それはL-W法ては接触因子が緩かに活性化されるのに対し, WBAPTTは試薬中にカオリン粒子を含むため接触因子を十分に活性化てき, GMのような血中における失活速度の速い抗凝固剤の指標となりえると考えられた.以上よりWBAPTTは血液透析における抗凝固剤の指標として十分に活用てきる結果を得た.
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