A Case of Peritoneal Serous Papillary Adenocarcinoma.

2001 
腹膜原発漿液性乳頭状腺癌は, 卵巣の漿液性乳頭状腺癌と類似した組織でありながら卵巣に異常を認めないもので, 腹膜原発の腫瘍と考えられている. 症例は61歳の女性. 右下腹部痛と腹部膨満感を主訴に来院した. 腹水穿刺細胞診でclassV: adenocarcinomaと診断され, 全身の検索を行ったが, 原発巣は不明であった. 開腹所見では, 大網に多数の漿液性嚢胞を伴う腫瘍を認め, 術中迅速病理診断で卵巣の漿液性乳頭状腺癌に組織像が類似していた. 卵巣は肉眼上正常であり, 腹膜原発漿液性乳頭状腺癌と診断し, 可及的に腫瘍を切除した後, シスプラチンを腹腔内投与した. 術後はカルボプラチンとシクロフォスファミドによる化学療法が著効し, その後の再開腹では明らかな腫瘍は認められなかった. しかし, 腹腔洗浄細胞診にて癌細胞の遺残をみとめたことから, さらに化学療法を追加し, 退院した. 初回手術後12か月の現在, 腫瘍の再燃の兆候はない.
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