Liquid-Phase Oxidation of Propylene over Palladium Black Suspended in Water

1971 
水中に懸濁したパラジウム黒触媒によるプロピレンの液相酸素酸化反応を調べた。塩化パラジウム水溶液にプロピレンと酸素の混合ガスを反応させると, パラジウム黒が析出懸濁したあと, 定常的なプロピレンの酸化反応が進行することを見出した。反応生成物としてアセトンの他に, 相当量のアクロレインを検出したが, アクロレインが生成することは, Pd(II) 錯体によるワッカー型酸化以外の新しい型の酸化反応がパラジウム黒上でおこることを示している。塩化パラジウム水溶液に種々の塩を添加した場合, 反応は影響をうける。それはパラジウム黒の分散状態に対する影響と反応機構に対する影響とが複合している。パラジウム黒の不均一触媒作用についてさらに明確にするため, 上のようにして得たパラジウム黒を十分洗浄してのち純水に懸濁して酸化反応を調べたところ, アクリル酸 (約80%) とアクロレイン (約20%) が選択的に生成することがわかった。この場合アクロレインはアクリル酸への中間酸化物とみられる。反応機構は, パラジウム黒表面に形成された πアリル錯体への水酸イオンの求核的反応であろうと考えられる。
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