肝細胞癌の予後決定因子としてのBrdU Labeling Indexについての検討

1992 
肝細胞癌切除症例14例につき,癌部と非癌部のDNA合成能をBromodeoxyuridine(以下BrdU)を用い調べ,切除後2年以上の経過を観察し,予後との関係を検討した.方法は0.1% BrdUを含んだRPMI1640溶液中にて肝組織をincubationし, BrdU摂取率(L.I.)をinvitroで測定した.結果は癌部L.I.=6.43±0.89%,非癌部L.I.=2.85±0.42%であり,両者には正の相関関係を認めた.癌部L.I.と生存年数との間の相関関係を調べたところ,両者には有意の負の相関関係がみられL.I.が低いほど予後は良好であった.また非癌部L.I.と生存年数についても両者に有意の負の相関関係が得られ,やはりL.I.が低値であるほど患者の予後は良好であった.さらに肝切後2年の時点での生死を判別関数で検討したが,非癌部L.I.,癌部L.I.の的中率はそれぞれ85.7%, 78.6%と良好な結果を得た.以上よりBrdU L.I.は肝癌の予後因子として重要な意義を持つ事が示唆された.
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