Control of TN/TP ratio by sediment treatment for restraint of water blooms

2007 
本研究では, 湖沼の底泥から溶出する栄養塩濃度を加圧浮上分離 (DAF), MgO散布およびこれらを併用したハイブリッド処理によって抑制することで湖水のTN/TP比制御を試みた. 各底泥処理によるアオコの抑制効果を, TN/TP比とアオコの増殖量を表わすモデルによって検証し, 底泥処理実験の妥当性について検討した. その結果, DAF処理は窒素に対して抑制効果が高く湖水のTN/TP比を減少, MgO散布処理はリンの抑制に対して効果がありTN/TP比を増加, また, DAF処理とMgO散布処理を併用したハイブリッド処理は底泥から溶出する窒素およびリンの濃度を高い割合で抑制でき, 特にリンの抑制が顕著であることからTN/TP比を増加させる効果があることが示された. 各底泥処理を施したときのTN/TP比とアオコの増殖量の関係は, 既存のモデルと高い整合性を示した. 各底泥処理によって湖水のTN/TP比を制御することができるとともに, Chl.a濃度を高い割合で抑制できることがわかった. このことから, 各底泥処理方法は, 湖水のTN/TP比を制御できるという観点から湖沼の富栄養化対策の一手法として期待できる.
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