Evaluation of the relationship of the type of hearing loss to noise preference from a TCI (Tinnitus Control Instrument) in patients undergoing TRT (Tinnitus Retraining Therapy)

2008 
平成16年4月から平成18年3月までの2年間に当院耳鳴難聴外来を受診しTRTを試みた耳鳴患者119例 (男63人女56人) の内, 約1ヶ月の試用期間後, 脱落例を除きTCI治療器を購入して治療を継続し得た61例 (男33人女28人) を対象とした。また初診時聴力の左右差の有無で症例を2つに群分けした。平均聴力4分法で左右差があり患側 (耳鳴側) が10dB以上の閾値上昇を認める症例19例 (男10人女9人) をHG (Hearing Gap) (+) 群, それ以外の平均聴力4分法で聴力の左右差が10dBを超えない症例を含む42例 (男24人 女18人) をHG (-) 群とした。TCI治療器の調整方法は患者にスピーチ, ホワイト, ピンク, 高音の4種類のノイズ音より聞き心地のよい音を自由に選択してもらい, 1ヶ月後の再診時に希望があればTCI治療器の音を再調整した。難聴の型はHG (+) 群では突発難聴後の一側性感音難聴が19例中16例と多くみられた。HG (+) 群とHG (-) 群の初診時所見を年齢, 耳鳴側の平均聴力, THI (Tinnitus Handicap Inventory), VAS (Visual Analoque Scale) のうちの耳鳴の気になる持続時間 (%), 耳鳴検査のラウドネスバランス及びピッチマッチについて比較するとHG (+) 群ではHG (-) 群と比較して耳鳴側の平均聴力, THI, ラウドネスバランスが有意に高かった。また患者が選択したノイズを集計するとスピーチノイズとホワイトノイズを選ぶ患者が多かった。TCI治療器のノイズ音フィッティングの際, 1回目調整時にはHG (-) 群はスピーチノイズが多く選ばれHG (+) 群ではホワイトノイズが多く選ばれた (p<0.05)。2回目調整時にはホワイトノイズを選ぶ患者が増加した。今回の検討より, HG (-) 群では高音耳鳴症例が多い傾向があり高音抑制されたスピーチノイズが聞き心地がよく選択されやすい傾向があったと考えられた。HG (+) 群では, 初診時の自覚症状の苦痛度や耳鳴ラウドネスも大きいので, 治療音としても音量感のあるホワイトノイズが選ばれる傾向があると示唆された。
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