Protein Tailoring の一モデル:リゾチーム-モノメトキシポリエチレングリコールコンジュゲート

2007 
高分子化合物の優れた性質をタンパク質分子に導入するタンパク質コンジュゲートの創製は,タンパク質の機能の弱点をピンポイントで補い,食品・医薬など多分野への幅広い応用を可能にするための有効な手法として期待されている.平均分子量 5000 の両親媒性合成高分子化合物モノメトキシポリエチレングリコール(mPEG)誘導体を用いて,溶菌酵素ニワトリ卵白リゾチームへの修飾条件と反応生成物の分離条件を設定し,33 位のリジン残基の側鎖 e-アミノ基に特異的に mPEG が共有結合した修飾酵素(mPEG-リゾチーム)を得た.リゾチームのグラム陽性菌に対する中性 pH 領域における溶菌活性は未修飾リゾチームより低かったが,逆にグラム陰性菌に対する抗菌力を増強させた.これはリゾチーム分子表面に獲得した疎水性領域とグラム陰性菌外膜間の新規の疎水的相互作用に起因するものと考えた.さらに mPEG の導入によりリゾチームの免疫原性が軽減され,熱安定性も著しく向上することを明らかにした.
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