Rational Lateral Dissection for Cura A Lower Rectal Cancer.

1998 
1980年-1993年の14年間に当教室で経験した下部直腸進行癌根治度A症例で側方リンパ節郭清がD2郭清とD3郭清が施行された171例を対象とし, 至適側方リンパ節郭清の程度について検討した. stage II, IIIa, およびstage IIIbの側方第2群以上にリンパ節転移をみない症例, つまり全対象症例の約90%の症例では側方D2郭清群とD3郭清群に累積生存率で有意差は認められなかった. 一方, 全対象症例の約10%であるD3郭清を施行した側方第2群以上のリンパ節転移例では, その約半数に5年以上の長期生存をみた. よって下部直腸進行癌に対する側方リンパ節郭清は, まず内腸骨動脈の前面に沿ったいわゆるD2郭清を行い, 術中迅速診断で側方第2, 3群リンパ節転移陽性と判断された場合にD3郭清を行うべきである. またリンパ節被膜外病変を伴う症例は単なる外科的治療だけでは十分な根治性が得難いと考えられた.
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