A Case of Painless Severe Acute Pancreatitis.

1996 
経過中に全く腹痛を欠如した重症急性膵炎の1例を経験したので報告する. 患者は45歳の男性で悪心嘔吐黄疸を主訴に入院した. 入院時の血液生化学検査, computed tomography (CT) にて重症急性膵炎と診断したが, 腹痛は全く認めなかった. 直ちに蛋白分解酵素阻害剤投与, 持続血液濾過透析などを行いつつ厳重な全身管理を行った. しかし急激に血小板が減少し, disseminated intravascular coagulation (DIC) 傾向を示すようになり, 感染の合併も疑われたため, 第10病日に手術を施行した. 膵臓はほぼ全体が壊死に陥り, 後腹膜腔にも広範に壊死が広がっており, 可能な限り壊死組織を除去した. 術後はmethicillin resistant staphylococcus aureus (MRSA) 肺炎, 腹腔内膿瘍の治療に難渋したが徐々に改善し, 術後第105病日に退院となった. 本症では腹痛を欠如するため膵炎の早期診断治療が遅れ, 予後不良となる場合が多いので注意を要すると思われた.
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