N,N-ジメチルホルムアミド溶媒中でのω-フェニル脂肪酸の電解反応

1970 
N,N-ジメチルホルムアミドを溶媒とし, 支持塩に硝酸リチウム, 硝酸テトラエチルアンモニウムまたはトリエチルアミンを用いて, ω-フェニル脂肪酸 (フェニル酢酸, β-フェニルプロピオン酸, γ-フェニル酪酸) の電解を行なった。支持塩に硝酸リチウムを使用した場合, いずれの酸においても, N-アシロキシメチル-N-メチルホルムアミド (I) が得られた。他方, トリエチルアミンを用いた場合は I のほかに Kolbe 電解反応によって生成したα,ω-ジフェニルアルカン (II) が得られ, 支持塩の種類によって異なる電解反応が起こることがわかった。また, 硝酸テトラエチルアンモニウムを支持塩に用いた場合, フェニル酢酸では1のみが得られたが, β-フェニルプロピオン酸では I のほかに微量の 1,4-ジフェニルブタンが, また,γ-フェニル酪酸ではかなりの量の 1,6-ジフェニルヘキサンが得られ, この支持塩は硝酸リチウムとトリエチルアミンの中間的挙動を示すことがわかった。また, ω-フェニル脂肪酸の電解において, フェニル基とカルボキシル基の間にあるメチレン基の数が多くなるにつれて, II が生成しやすくなる傾向が認められた。
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