A Case Report of Solitary Ulcer Syndrome of the Rectum.
1991
本邦では比較的まれとされている孤立性直腸潰瘍症候群の全周性隆起を呈した1例を報告する.症例は48歳男性で, 粘液便を主訴に来院した.直腸指診にて肛門直上に全周性の弾性硬の腫瘤を触知し, 注腸検査では一見2'型 (限局潰瘍型) 直腸癌をおもわせる所見であった.大腸内視鏡検査では肛門縁より約4cmの部位にほぼ全周を占める隆起性病変を認めた.隆起部分は白色調で白苔を伴い, 顆粒状変化と散在性の発赤斑を呈していた.隆起性病変の基部は強い発赤調であり, 粘膜がだぶついている所見であった.生検時の感触は直腸癌の場合よりもやわらかく, 可動性もよかった.組織では特徴的なfibromuscular obliterationの所見が認められたため本症と診断し, 患者に局所切除をすすめたが希望せず保存的に加療した.本症は疾患の認識がなされていれば診断は比較的容易である.本態は良性疾患であることを考慮し, 過大な手術侵襲を加えることのないように留意すべきである.
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