Study on cellular immunity in chronic hemodialysis patients and continuous ambulatory peritoneal dialysis patients

1986 
慢性血液透析患者における易感染性, 悪性腫瘍の高い発生率および遅延型皮膚反応の低下など良く知られているが, その原因として細胞性免疫能の低下が考えられている. 今回われわれは細胞性免疫のうち, 特にnatural killer活性 (NK活性), antibody dependent cell-mediated cytotoxicity活性 (ADCC活性) を慢性血液透析症例およびCAPD症例について測定し, これらの活性が細胞性免疫能の低下に関与しているのかどうか, また両治療におけるNK活性およびADCC活性の差, さらに血液透析のこれらの活性に及ぼす影響について検討した.対象症例は慢性血液透析症例20例, CAPD症例7例で, 健康成人6例を対照例として測定した. 両治療群とも年齢, 透析期間とNK活性, ADCC活性との間に有意な相関はみられなかった. NK活性は対照群の平均値が36.4±14.8%, 慢性血液透析群の平均値が19.6±6.5%と対照群において有意に高値であったが (p<0.001), CAPD群の平均値は23.4±15.5%と前二者の中間の値でどちらの群とも有意差はみられなかった. ADCC活性も同様に対照群の平均値が71.4±4.2%, 慢性血液透析群の平均値が54.7±10.4%とコントロール群において有意に高値であったが (p<0.01), CAPD群の平均値は62.1±9.2%と両者の中間の値でどちらの群とも有意差はみられなかった.慢性血液透析症例5例について透析前後でのNK活性およびADCC活性を測定した結果, NK活性は透析前後において有意な差は見られなかったが, ADCC活性は透析前の平均値が65.2±2.9%であるのに対して透析後には52.4±5.6%で有意な低下がみられた (p<0.01).
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