種々の動脈硬化性病変を有した"炎症性"腹部大動脈瘤の1手術例

1998 
患者は61歳男性で, 狭心症の経過観察中に腹部大動脈瘤 (AAA) が発見された. 腹部超音波検査およびCT像で特異的なマントルサインを認め, “炎症性”AAAと診断した. 術前動脈造影では右前大脳動脈と右内頸動脈に狭窄を認め, 冠動脈にも多枝病変を伴っていた. 手術では肥厚した動脈瘤壁が周囲組織へ浸潤, 癒着していたため, 剥離を最小限にとどめて副損傷を防止しつつY型人工血管置換術を行った. 術中の収縮期血圧を100mmHg以上に保った. 自験例では種々の動脈硬化性病変を伴っており, 炎症性AAAの発生機序として動脈硬化との関連性が示唆された.
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