Cytological analysis of three cases of urachal adenocarcinoma.

1998 
自然尿中に異型細胞が出現した尿膜管遺残由来の腺癌症例3例を経験したので報告する. 尿膜管由来を含め膀胱の腺癌は, 大半が血尿を主訴とするが, ときに無症状であり, 検診時にみつかることがあり, その発見に細胞診は重要である. 今回報告する, いずれの症例も血尿を主訴とし膀胱頂部に腫瘤を認めた.組織学的にはいずれも大腸の腺癌と区別できない高円柱状細胞質をもつ乳頭腺管型の腺癌で, 症例1では胞体内粘液産生著明な部分が混在していた. 今回の3症例中, 2例 (症例2, 3) では術前細胞診で腺癌を推定したが, 1例 (症例1) では移行上皮癌と誤推定した. 誤推定の原因として, 核偏在性高円柱状形態を保つ細胞の出現がごく少数だったこと, 変性のため細胞質が不明瞭となり, 高円柱状形態を読み取りにくかったことがあげられた. 一般に移行上皮癌では組織推定のための細胞学的特徴が他の組織型と比べて乏しいため, 移行上皮癌と推定しがちとなる. したがって自然尿検体での膀胱腺癌の推定には常に腺癌の可能性を念頭に置くこと, およびわずかであっても核偏在性の高円柱状配列形態, あるいは印環細胞様細胞を見逃さないことが重要と考えられる.
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