部分リン酸化ポリビニルアルコールー銅 (II) 錯体の生成と性質

1980 
部分リン酸化ポリビニルアルコール (以下phos. -PVAと略す) の, Cu (II) 錯体を生成し, その性質について検討を行った. その結果, Cu (II) -phos. -PVA錯体は, pH 11ではPVAの1, 3-グリコール位と配位子交換してCu (II) -PVAと同じ構造の錯体に変化することが結論された. また, Cu (II) -phos. -PVA錯体の熱力学的パラメーターを求めた, ΔH値は, 第1, 第2配位段階では正, 第3, 第4段階で負となり, 第3, 第4段階で配位結合が安定化されている. ΔS値からも, 分子内キレート効果による錯体の安定化が明らかになった. また, 側鎖のリン酸基による立体障害, 静電場効果も観察された.
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