PCR-マイクロプレート・ハイブリダイゼーション法によるメロン黄化えそウイルス(MYSV)の検出

2002 
高知県で発生しているMYSVについて,PCR-マイクロプレート・ハイブリダイゼーション(PCR-MPH)法による植物(キュウリ)およびアザミウマからの検出を試みた。MYSV「春野株」のNタンパク質遺伝子領域をRT-PCRで増幅し,塩基配列を決定したところ,既報MYSV静岡株と97%,PSMVとは96%の相同性を示した。推定されるアミノ酸数は279で,MYSV高知株と全アミノ酸配列が一致した。この領域を用いてDIG標識プローブを作成し,PCR-MPHを行ったところ,MYSV感染キュウリ葉からのみ特異的にウイルスが検出された。PCR-MPHの検出感度はELISA,RT-PCRの625倍であり,MYSV感染キュウリ葉から抽出したウイルスRNAの1.000万倍希釈液からのウイルス検出が可能であった。またMYSV感染キュウリで飼育したミナミキイロアザミウマ2齢幼虫1個体からウイルスの検出を行った結果,RT-PCRでは供試15個体中4個体からウイルスが検出されたが,PCR-MPHではRT-PCRでは検出できなかった2個体からもウイルスが検出された。
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