Urinary tract infection of maintenance hemodialysis patients with diabetic nephropathy
1985
糖尿病性腎症を原疾患とする血液透析患者9例の尿路感染症について臨床的検討を加えた.尿沈渣所見では9例中8例88.8%に膿尿を認め, これら8例には何らかの自覚症状が存在した. 糖尿病患者は末梢神経障害にもとづく膀胱機能障害を合併する頻度が高く, 残尿による尿路感染症に悩まされることがしばしばみられる. 今回の検討でも, 膀胱機能障害は7例中6例85.7%に認められた. したがって糖尿病を指摘された時点より膀胱機能に十分な注意を払うことが必要となってくる. また残尿が発生すれば, 清潔操作による間欠的自己導尿を指導することにより, 尿路感染症を予防しなければならない.治療は炎症の急性期には感受性のある抗生物質の全身投与を行うことにより残腎機能のない症例でも十分効果が期待でき, 下腹部不快感などの慢性症状に対しては抗生物質の膀胱内注入により細菌が陰性化し, 自覚症状も消失する症例が少なくない.糖尿病性腎症を原疾患とする血液透析患者の尿路感染症は, 早期診断, 早期治療を必要とし, その膀胱機能には十分監視が必要である.
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