A case of hemolytic anemia induced by application of β2microglobulin adsorbent column to dialysis-related amyloidosis

2002 
近年, 透析アミロイドーシスに対する治療法の一つとして血液吸着療法によるβ2MG除去法が推奨されている. 今回われわれはβ2MG吸着カラム (鐘淵化学社製リクセル) の使用により繰り返し貧血の増悪を認め, その機序として溶血が示唆された症例を経験した. 製造メーカーの集計では調査症例数183例のうち13例 (7.1%) に貧血が認められており, 副作用としての貧血は注目すべき問題と考えられる. しかし貧血のみならずリクセル使用に伴う副作用についての検討はまだ十分ではないと思われる. 今回のわれわれの検討では合計3期にわたるリクセルの使用により, いずれも貧血の増悪とそれに伴ってハプトグロビンの低下, 網状赤血球数の増加を認めたことから溶血性貧血の合併が強く示唆された. これまでの報告では貧血の原因として葉酸, ビタミンB12, カルニチンの欠乏などの関与が示唆されているが本症例ではこれらの血中濃度には変動が認められなかった. 溶血の原因として, 直接クームス試験陰性所見から自己免疫的機序は否定的であり, リクセルの素材と患者赤血球の間における機械的摩擦や, サイトカインの影響等が考えられるが依然不明な点が多く今後の検討課題である.
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