近畿, 中国, 四国地域で奨励品種として栽培された新旧ダイズ品種の特性比較
2006
近畿, 中国, 四国地域で栽培する大豆品種に必要な特性を明らかにするため, 当地域の府県で奨励品種等として採用され, 栽培された新旧ダイズ品種の特性比較を行った. 43品種を育成年次により, 1945年以前(I期), 1946年~1970年(II期), 1971年以降(III期)の3群に類別して比較した. I期は戦前, II期は戦後の米増産時代, III期は水田利用再編対策等によりダイズの生産振興が図られた時代に相当する. 2003年および2004年に供試品種を水田転換畑で栽培し, 生育, 収量, 品質関連形質について比較した. その結果, 年代が新しくなるにしたがって変異は減少する傾向があり, III期では花色は紫, 毛茸色は白に統一された. また, I期およびII期には早生, 中生, 晩生各熟期群に品種が分散していたが, III期では中間型品種の普及により中生に集中した. III期品種の開花迄日数は短縮し, 結実日数は延長する傾向にあり, 多収化のための条件を備える方向に変化した. 草型に関してはIII期品種では主茎長および主茎節数とも大幅に減少して小型化し, 耐倒伏性が強化されたが, 青立ちについては改善の跡が認められなかった. また, III期品種は百粒重が増加したが, 節数が減少したため収量の増加は認められなかった. しかし, タマホマレとサチユタカは短茎化しても晩生の大型品種並の子実重を確保しており, 子実の生産効率が高いと推察された. 品質に関しては, 大粒化, 白目への統一, 裂皮粒の減少, 高蛋白質含量等, 時代の要請に応じて改良が図られてきた.
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