直腸壁外性に有茎性発育したKIT陰性gastrointestinal stromal tumorの1例

2006 
直腸壁から骨盤腔へ有茎性発育し, KIT陰性を示したgastrointestinal stromal tumor(以下, GISTと略記)の1手術例を経験したので報告する. 症例は76歳の男性で, 主訴は特になし.平成15年5月CTで骨盤内腫瘍を指摘された. 画像検査で会陰部から骨盤腔にかけて約10×6×5cmの多結節状腫瘍影が直腸外壁に接して存在し, CT densityおよびMRI信号強度より消化管粘膜下腫瘍が疑われた. 明らかな浸潤傾向やリンパ節腫大は認めなかった. 以上より, 直腸壁由来のGISTと診断した. 手術は経仙骨的に腫瘍を切除した. 腫瘍は乳白色多房性弾性軟であり, 直腸壁から有茎性に発育していた. 病理組織検査では紡錘形から多形性で核の大小不同の目立つ腫瘍細胞像を認めた. 免疫組織化学でKIT, S-100陰性, CD34, desmin, SMA, vimentin陽性を示し, 直腸原発のKIT陰性GISTと診断した.
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