2-アセトキシ-5β-コレスタン-3-オンの異性化反応

1969 
2β 一アセトキシ-5β-コレスタン-3-オンを臭化水素酸/酢酸で処理すると,3α-アセトキシ-5β-コレスタン-2-オンがえられることがわかった。この反応の機構を解明するために,2種のアセトキシーケト誘導体から合成したヒドロキシーケト化合物の異性化反応について研究した。また,この反応は環状中間体を経て進行するのではなく,アセトキシル基が反応中に開裂を起こしているということを確かめるために,2β-アセトキシ-3-ケト化合物の重臭化水素酸/酢酸-d4の反応を検討した。これらの実験結果から,2β-アセトキシ-5β-コレスタン-3-オンから3α-アセトキシロ-5β-コレスタ-2-オンの生成する反応は,つぎのような過程を経て進行するものと思われる:2β-アセトキシ-3-オン→2β-ヒドロキシ-3-オン→3α-ヒドロキシ-2-オン→3α-アセトキシ-5β-コレスタン-2-オン..2α-アセトキシ-5β-コレスタン-3-オンと重臭化水素酸/酢酸-d4の反応から,2α-アセトキシ誘導体が2β-アセトキシ-5β-コレスタン-3-オンになる反応は,エノール化を経て進行することがわかった。
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    3
    Citations
    NaN
    KQI
    []