2.Helicobacter pylori と胃癌
2006
疫学的研究,動物実験,臨床研究によりHelicobacter pylori( H.pylori)感染と胃癌発生との関連は強く示唆され,「除菌により胃癌発生を抑制しうるか否か」という問いに対する研究結果も近年,世界各国で報告されてきた.しかし胃発癌にはH. pylori自体,宿主,環境の3 因子の相互作用の研究が必要であり,その研究は自国のものでなければ意味がない.日本における介入研究(JITHP)もようやく終了し,最終的な成績ではないが,本稿にて紹介した. H. pyloriの除菌は胃前癌状態を低率ながら改善し,ひいては胃発癌の予防に有用と考えられる.
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