Influence of gastroinstetinal microflora on urinary excretion of nitrogen compounds and amino acids in rats.
1989
消化管内微生物叢の宿主の窒素代謝に及ぼす影響を知るために, 蒸気加圧滅菌したカゼイン18%および無タンパク質飼料をGFおよびCVに与え, 尿中窒素化合物およびアミノ酸を測定した。カゼイン飼料期では, 尿中窒素, 尿素, アラントイン排泄量は, いずれもGF区よりCV区のほうが多かった。全窒素に対する尿素態窒素の割合はCV区のほうが高かった。尿中全アミノ酸および遊離アミノ酸排泄量は, いずれもGF区よりCV区のほうが少なかった。無タンパク質飼料期では, 尿中窒素, 尿素および全窒素に対する尿素態窒素の割合は, いずれもGF区とCV区の間に差が認められなかった。アンモニア, アラントイン, クレアチニン排泄量は, いずれもCV区のほうが多かった。尿中全アミノ酸排泄量は, GF区とCV区の間に差がなかったが, 遊離アミノ酸排泄量はCV区のほうが少なかった。体タンパク質の分解程度を推定する指標として用いられている尿中3MH排泄量は, カゼインおよび無タンパク質飼料期のいずれにおいても, それぞれGF区よりCV区のほうが多かった。血漿遊離アミノ酸濃度は, GF区とCV区の間に差が認められなかったが, 必須アミノ酸濃度はCV区のほうが高かった。これらの結果から, 消化管内微生物叢は宿主の窒素代謝に影響を及ぼし, 肝臓での尿素合成を高める一方, 体タンパク質の分解を昂進していることが示唆された。
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