Statistical theory on the pre- and post-reduction of chromosomes

1951 
1) 近年におけるキアズマ型説の進展と, 下等生物に対して行われた四分子析の研究とは染色体上の各遺傳子が還元分裂に夫々一定の確率で前減数及び後減数を行うことを明らかにした。然し染色体全体としての減数の状態を知る爲には更に統計学的理論を必要とする。本論文においては次の2つの問題を論じた。(a) 與えられた染色体について, 前減数及び後減数を行う染色体部分の長さの頻度分布を求めること。(b) 遺傳学的に良く研究されている種々の染色体について前減数及び後減数を行う平均の長さを明らかにすること。2) 1端に附着点を有し, 染色分体干渉の存在しない長さ 100l 單位の染色体に対しては, 後減数を行う長さ (ξ) の頻度分布は次の式で與えられる。Φ(ξ)=φ′(ξ)+2φ′(l-ξ)-(l-ξ)φ"(ξ)-1ここに φ(ξ) は100單位隔れた2遺傳子間の組換確率であり, 式の導出に際しては3交叉以上の多交叉は頻度において無視し得るものとしてある。猩々蠅のX染色体 (70單位) に対しては上式はΦ(ξ)=cos2ξ+2cos(1.4-2ξ)+(1.4-2ξ)sin2ξ-1となる (第2図)。3) 染色体をX軸上にとり, その上の点 x の後減数を行う確率を f(x) とすれば, その染色体又は染色体部分 ab の後減数を行う平均の長さはL=∫baf(x)dxで與えられる (第6図)。4) 遺傳学的に詳細に研究された染色体について, 前減数及び後減数を行う長さ (l-L, L)の全長に対する割合 (即ち l-L/l 及び L/l を%で表わすと次の如くである。l-L/l L/lNeurospora crassa 性染色体 66.5% 33.5%Sphaerocarpus Donnellii, squamifera- 染色体 52.2% 47.8%猩々蠅, X 染色体 { 46% 54% 48%※ 52%※仝 第 II 染色体 48% 52%黒猩々蠅, X 染色体 { 40.7% 59.3% 40.0%※ 60.0%※ここに※を附した値は細胞学的染色体地図を尺度としたもので, それ以外の値は遺傳学的地図を尺度としたものである。
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