経口摂取不能のため腸瘻造設後にTS-1/CDDP 投与を行い根治切除が可能となった高度進行胃癌の1例

2006 
症例は65歳,女性。経口摂取不可能な状態で紹介された。胃内視鏡で噴門部中心,胃体上部全体を占める3型胃癌を認めた。多発性肺転移および胃周囲の著明なリンパ節腫大も認め根治手術不能と判断,化学療法が第一に考えられたが水分摂取も困難な状態にて患者の強い希望もあり,十分なインフォームド・コンセントの下,開腹術施行したが腫瘍は横隔膜まで著明に漿膜浸潤を認めたため,空腸に腸瘻造設し閉腹した。術後,腸瘻よりTS-1 80mg/body/day(day1〜14)を注入,day8にCDDP 80mg/body/dayを24時間点滴静注,2週休薬し1クールとした。3クール終了後,原発巣および胃周囲のリンパ節は著明に縮小し肺転移は画像上消失したため,胃全摘脾合併切除術(D 2)を施行した。進行度StageIIIA, 組織学的効果判定はGrade 2であった。本症例は術後14か月以上再発の兆候なく生存中である。
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