高度の好酸球増多とLöffler's endocarditisを伴つた好酸球性肺炎の1例 播種性好酸球性膠原病とLöffler症候群の疾患概念の検討を含めて

1972 
22才,女.既往歴にアトピー性皮膚炎(2~19才)がある.顔面,手足の腫脹,皮疹,歩行時の呼吸困難を主訴として来院した.両肺野のびまん性陰影,末梢血で80%の成熟型好酸球と17.5%の異型リンパ球を含む20万/mm3の白血球増多,著明な好酸球増多を示す過形成性の骨髄像,肝脾腫,血清中のLDHの高値, IgEの増量,および好酸球浸潤と異型リンパ球の混在を示す皮膚生検像を認めた.主な臨床症状は,肺症状で,しばしば重篤な呼吸困難をきたした. hydrocortisoneが効果を示し,症状と胸部X線所見を改善させたが,最後には感染を合併し死亡した.剖検で肺胞内と肺胞壁に好酸球浸潤を主とする新旧病変がびまん性にあり, aspergillus, pneumocystis cariniiの感染を伴つていた.左心には内膜下の好酸球浸潤を伴う小壊死巣,壁血栓を認めた. Loffler's endocarditis,播種性好酸球性膠原病, Loffler's syndrome,好酸球性白血病の疾患概念にかんして若干の考察を加えた.
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