3.腹腔内留置カテーテル:4)肝胆膵切除で用いる腹腔ドレーン

2019 
胆道再建を伴わない待機的肝切除術における腹腔ドレーン留置は,必ずしも必要としない.その際,胆汁漏や難治性腹水などの合併症リスクの高い症例ではドレーンが情報的,予防的および治療的役割をはたすことがあるため,個々の症例に応じた腹腔ドレーン留置の判断が必要である.一方,膵切除術においては,非留置群での高い死亡率から腹腔ドレーンを留置すべきと考えられている.肝切除および膵切除ともに逆行性感染などの合併症を考慮して,ドレーン排液に異常所見がなければ早期のドレーン抜去が推奨されている.また,胆汁漏や膵液漏,臓器/体腔感染に対するドレーン留置が長期間にわたる際には,感染に対する標準予防策を基本としたドレーン管理が重要である.さらに,病態に応じた腹腔ドレーンの選択および逆行性感染防止策,事故(自己)抜去予防や接続はずれ予防策などを考慮したドレーンの固定や管理が必要となる.
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