Pathohistological studies on the bile ducts in an autopsied case with drug-induced intrahepatic cholestasis
1980
サルファ剤に起因したと思われる続発性胆汁性肝硬変症の1剖検例について主として胆管病変につき検討した成績を報告した.症例は43歳の女性で感冒様症状のためSulfamethopyrazine(900mg/日)3日間服用後に発黄.発症初期に血清IgA低値が認められ自己抗体,血清IgM高値等は認められなかった.発症初期の肝組織像は小葉周辺の広範な壊死と胆汁うっ滞像を示し,全経過3年3カ月で胆汁性肝硬変症により死亡した.剖検肝の胆管系は主として40μ前後の小葉間胆管を中心に消失が著しく,残存している中等大小葉間胆管および隔壁性胆管の上皮には変性が認められた.全経過中4回肝組織像を検討したがRubinらのCNSDCに相当する病変は認められなかった.薬剤のアレルギー反応により広範な肝細胞壊死がおこり,一次的ないし二次的に中等大の胆管にも病変が波及し,さらに小型小葉間胆管の消失をきたし最終的に胆汁性肝硬変症へと進展したものと推察された.
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