A Case of Infected Mesenteric Pseudocyst of the Transverse Colon

2003 
症例は43歳の女性. 右側腹部痛, 発熱を主訴に当院を受診. 腹部超音波検査および腹部CT検査にて径13cm大の単房性嚢胞を認めた. 腹痛の増強とともに筋性防御が出現し, 緊急開腹術を施行した. 表面平滑で巨大な腫瘤が横行結腸間膜から発生しており, 横行結腸に強固に癒着していた. 腫瘤とともに横行結腸を合併切除した. 腫瘤は15×12×10cm大の単房性嚢胞で, 嚢胞内容液は悪臭を伴う褐色膿性液であった. 病理組織学的には嚢胞壁は線維性結合織を主体に形成され, 脂肪織を巻き込み壊死と多数の好中球浸潤を伴っていたが, 内腔面・嚢胞内容液に上皮細胞は認めなかった. 肉眼的・病理組織学的に横行結腸との交通は認められなかった. 以上より, 感染性仮性腸間膜嚢胞と診断した. 感染を伴い急性腹症として発症した仮性嚢胞の報告例はなく, 自験例はきわめてまれな1例と考えられた.
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