A CASE OF LEFT PARADUODENAL HERNIA DIAGNOSED PREOPERATIVELY

2004 
術前診断が可能であった左傍十二指腸ヘルニアの1例を経験したので報告する.症例は13歳,男児.左上腹部痛,悪心,嘔吐のため来院した.入院時腹部CT検査では,左上腹部の小腸の限局性拡張像と,拡張腸管の腹側を走行する下腸間膜静脈(IMV)を認めた.上部消化管造影(UGI)では,左上腹部に円弧状の境界を持つ小腸の集塊像を認めた.以上より左傍十二指腸ヘルニアと診断し,腹腔鏡下手術を試みた.腹腔内を観察したところ, Treitz靱帯の左側の傍十二指腸窩にヘルニア門が認められた.ヘルニア内容の整復は容易であったが,ヘルニア門の閉鎖はすぐ左縁を走行するIMVの損傷の危険性を考慮し,小開腹を加えて行った.本疾患は特徴的な画像所見を有しており,腹部CT, UGIは本疾患の診断に有用である.強固な癒着,絞扼を伴わない左傍十二指腸ヘルニアは腹腔鏡下根治術が可能であると思われた.
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