1 鎮静・鎮痛薬投与の考え方とプロトコル

2010 
鎮静は2 つの意味で使用されます.多くの場合,催眠,抗不安,健忘の3 つの要素により構成される狭義の鎮静を指します.この場合,鎮静は催眠作用が主体となり抗不安と健忘は補助的作用であるので,狭義の鎮静と催眠はほぼ同義といえます.「鎮痛薬と鎮静薬」のように用いるときは,この狭義の鎮静を意味します. しかし,鎮静とは,患者の不安を和らげ,快適さを確保する医療行為1)ですから,鎮痛作用も含めて広義に使用することが増えてきました.鎮痛薬を十分量投与して患者の痛みや不快感をなくし,催眠薬は必要なときにのみ追加する鎮痛を重視する鎮静法を「analgesia-basedsedation」2)と呼ぶことも一般的になりつつあります.そこで本稿では,鎮静を広義に用い,意識レベルを低下させることにより苦痛を緩和する「催眠」と可能な限り区別して記述します.
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