上皮性卵巣癌・卵管癌・腹膜癌:手術療法のタイミング

2018 
進行卵巣癌に対する治療として,手術を先行する標準治療(手術先行治療)に対して,術前化学療法(NAC)の後に手術を行う化学療法先行治療(NAC 療法)が検討されている.すくなくとも4 つの第Ⅲ相比較試験が行われ,NAC 療法では標準治療と比較して,手術における手術完遂割合が高く,劣らない予後が得られること,NAC 療法の手術では,手術侵襲の軽減および手術後有害事象が減少すること,などが示されている.NAC 療法は臨床現場においても広く適応されつつあり,アメリカの2 つの学会から全身状態や腫瘍の切除可能性によりNAC 療法を治療の選択肢あるいは第一選択として推奨するガイドラインも発表された.ただし,これまでの第Ⅲ相試験結果の信憑性に対する批判もあり,あらたに2 つの第Ⅲ相比較試験が開始されている.今後,当面の間NAC 療法は進行卵巣癌に対する標準治療として普及していくと考えられるが,新規の2 試験の結果にも注意が必要である.
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